電子事業部 角谷健人

最前線に立って感じる、現場ならではの臨場感。

BtoBの大きなビジネスに携われること、そして海外で働くことを重視して新たな転職先を探していた私にとって、アジア各地に拠点を展開する当社と巡り合えたことは、とても幸運でした。
海外ビジネスに主軸を置く他社と比較しても駐在経験者のパーセンテージがきわめて高く、「ここでなら、現地に暮らしながら海外ビジネスに携わることができる」、そうはっきりと海外駐在への道筋を見通すことができました。そしてこれは入社後に身をもって体感したことですが、非常に早くから海外経験のチャンスを与えていただける。私も実際、入社まもなく上海でのOJTの機会を、そして3年目には台湾駐在のチャンスをいただけました。
来たるべき駐在の日に備えて、各国の拠点で進行するビジネスを絶えず月報でチェックするなど、かねてより駐在への想いを温め続けていました。それだけに駐在のお話をいただけた時は、このうえなく嬉しかったことを記憶しています。と同時に、「これほど早くその機会が巡ってくるとは」と驚きを隠せませんでした。しかしその早さの訳は、いざ駐在員として台湾の地に赴けば一目瞭然でした。何しろ、市場にもっとも近い現場と日本とでは、入ってくる情報量やその内容、そしてお客様との距離感に雲泥の差があったのです。
そのため若いうちから最前線の現場に立つことこそが、めまぐるしく変化する市場の臨場感を肌で感じる最良の道と考え、当社は早期からチャレンジできる環境を用意してくれていたのです。

信頼を勝ち取る、
そして新たな取引がまたひとつ動き出す。

台湾駐在時の業務は、メーカーの現地販社から製品を仕入れ現地のお客様に販売する、本社を介さない現地完結型ビジネスでした。そのため、私の一挙手一投足が持つ意味合いは必然的に重くなります。しかしそれだけに、プロジェクトを成功させた際の喜びも一身に受け止めることができました。駐在業務でそのような瞬間が訪れるのは、お客様に当社取扱製品を新規採用していただけた時です。

「このプロジェクトを是が非でも成功させる」という強い意気込みのもと、メーカーエンジニアとタッグを組んで慎重に戦略を練り、粘り強くお客様との交渉を詰めてゆくだけに、ついに当社製品の採用が決まった時に味わう達成感は何にも代え難いものがあります。
ただ私たちの仕事は、製品を納品すれば済むかというと、事はそう単純ではありません。
お客様の要望に応えるためのソリューション提案や製品を使うための技術支援などを含め、様々なカードを入念に用意することによってはじめて、お客様からの信頼をようやく勝ち取ることができるのです。

私が取扱うパワー半導体という製品は、脱炭素社会の実現には欠かせないキーデバイスとして、家電から電気自動車、再生可能エネルギーに至るまで、様々な分野において需要が高い。したがって取引先で何か新しい動きはないか、常にアンテナの感度を高くする心がけが欠かせません。なぜなら、「他部署では風力発電を開発しているようだ」といった情報をお客様から引き出すことができれば、すぐさま適した製品を推奨しにお伺いできるからです。しかしそうした情報の引き出しの陰には必ず、お客様との間で培ってきた信頼関係が花開いているのです。こうしたことの繰り返しの末に、私たちの新たな取引はまたひとつ、前へと動き出してゆくのです。

心通わせ、ともに分かち合う、セツヨーの海外ビジネス。

駐在を終えて本社に戻ってきた現在、営業活動をともにする後輩の育成に力を注いでいるところです。台湾駐在は私に多くの学びをもたらしてくれた、実りある5年でした。これからは駐在で得てきた経験を後輩に伝えることを新たな出発点に、将来的にはチームリーダーとして次世代のセツヨーを牽引していく役割を担っていきたいと考えています。
学生時代、アルバイトでお金を貯めては海外旅行を繰り返すなか私がもっとも楽しみにしていたのは、現地の人々との交流でした。英語やときにはボディランゲージを交えながら、言葉や文化の違いを超えて心がひとつになる瞬間を分かち合えることに喜びを覚えていました。

そして今はアジアを舞台に、現地の方々と心通わせながら、ひとつのビジネスを私は分かち合うことができている。そう思うと、つくづく魅力的な仕事だなと感じます。もちろん海外のお客様との折衝にはすれ違いやハプニングはつきものです。しかしそうした想定外の出来事ひとつとっても、海外業務でなければ経験できないことですし、セツヨーでの日々は刺激に満ちています。近い将来、皆さんにもまた私の駐在経験をお伝えし、アジア各地へと巣立ってゆくその姿を見届ける日が来ることを心から待ち望んでいます。

Interview インタビュー